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住所えらびバーチャルオフィス・事業用住所の比較
基礎知識

バーチャルオフィスは違法か・怪しいか|犯罪収益移転防止法で確認できること

調査日 2026-10-26・公開日 2026-09-22(更新日 2026-10-26)

結論迷っているあなたへ、先に答えを書きます

バーチャルオフィスが違法ではないか心配な人は、事業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者で、契約時の本人確認が義務だと条文で確かめる

12社の比較表を見る
7年取引記録の保存期間
9社審査に言及(12社中)
5社本人確認に言及(12社中)
開業届書く住所欄特商法の表記公開する住所法人登記本店の住所郵便物受け取り・転送
1つの住所で、書く場面・出す場面が分かれます。タップで各記事へ。
  1. 1「怪しい」と言われやすい4つの点と、確認できること
  2. 2法律に「バーチャルオフィス」の定義がある
  3. 3契約するときに本人確認が義務づけられている
  4. 4記録は7年間保存される
  5. 5疑わしい取引は行政庁に届け出られる
  6. 6利用者が身元を偽ると罰則がある

読む前に押さえる点

  • 「怪しい」と言われやすい4つの点と、それぞれ確認できること
  • 犯罪収益移転防止法にある、バーチャルオフィスの定義
  • 契約時の本人確認の義務と、記録の保存(7年間)
  • 疑わしい取引の届出と、利用者が身元を偽った場合の罰則
  • 各社が公式サイトに書いていることと、それでも残る論点
  • 取引先から見える「信用面」で確認したい5項目(バーチャルオフィス1の公式記載)

対象となる人バーチャルオフィスが違法ではないか、怪しくないかを法律で確かめたい人

見落とすと困る点法律の枠組みがあることと、使ううえで気をつける点がないことは別です(本文の「それでも残る論点」)。

あなたの場合はどれ?(条件別の選び方)

犯罪収益移転防止法・商業登記法の条文と、12社の公式ページの記載で確かめた場合

バーチャルオフィスが違法ではないか心配な人
事業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者で、契約時の本人確認が義務だと条文で確かめる
これから契約する人
本人確認書類と、取引の目的・職業または事業内容を答える準備をする。身元を偽ると罰則がある
ありふれた商号で登記する人
同じ住所に同じ商号の会社がないかを、登記前に商号調査する(検索のみなら手数料は無料)
審査や本人確認の方法を契約前に知りたい人
料金ページだけでなく、FAQ・利用規約・専用ページも見る。料金ページに記載のない社がある
この記事の内容
  1. 「怪しい」と言われやすい4つの点と、確認できること
  2. 法律に「バーチャルオフィス」の定義がある
  3. 契約するときに本人確認が義務づけられている
  4. 記録は7年間保存される
  5. 疑わしい取引は行政庁に届け出られる
  6. 利用者が身元を偽ると罰則がある
  7. 実際に各社は何を書いているか
  8. それでも残る論点
  9. 取引先から見える「信用面」で確認したい5項目
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 調べた資料

「バーチャルオフィスは怪しいのではないか」「違法ではないのか」。月額数百円で都心の住所を使えると聞けば、そう思うのは自然です。

法律を見ると、バーチャルオフィスは法律に定義があり、事業者には契約時の本人確認が義務づけられています。根拠は犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)です。この記事では、その条文と、12社の公式ページに実際に何が書かれているかを示します。

「怪しい」と言われやすい4つの点と、確認できること

「怪しい」と感じる理由として挙がりやすい点を、この記事で確認できた範囲に当てはめます。

言われやすい点 確認できること
同じ住所に多数の法人が登記されている 仕組み上、住所は共有されます。商号が同じで本店も同一の場合だけ、登記できません(商業登記法第27条・法務省)
住所で検索すると運営会社のページが出る バーチャルオフィス1の公式FAQは、住所を他の利用者と共有しているため公式サイトが表示されることがある、と説明しています(2026年10月17日確認)
契約時に本人確認や審査がある 犯罪収益移転防止法の第4条が、契約時の本人確認を義務づけています。12社のうち9社が、公式ページで審査に言及しています
法人口座を作れないことがある 銀行も特定事業者で、独自に審査します。バーチャルオフィスの契約と口座の開設は別です

事業者の本人確認や記録保存は、法律で義務づけられています。一方、バーチャルオフィスが「怪しい」か「安全」かを一般論で言い切る材料は、確認した範囲にはありません【不明】。次の節から、条文と各社の記載を順に見ます。

法律に「バーチャルオフィス」の定義がある

犯罪収益移転防止法は、銀行や保険会社などに本人確認を義務づける法律です。その対象となる事業者を「特定事業者」と呼び、第2条第2項に列挙しています。その第44号がこれです。

顧客に対し、自己の居所若しくは事務所の所在地を当該顧客が郵便物(中略)を受け取る場所として用い、又は自己の電話番号を当該顧客が連絡先の電話番号として用いることを許諾し、当該自己の居所若しくは事務所において当該顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡し、又は当該顧客宛ての当該電話番号に係る電話(中略)を受けてその内容を当該顧客に連絡し、若しくは当該顧客宛ての若しくは当該顧客からの当該電話番号に係る電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者

条文に「バーチャルオフィス」という言葉は出てきません。ただし、住所を郵便物の受取場所として使わせ、届いた郵便物を引き渡す業務がそのまま書かれています。電話番号の貸出や転送電話も含まれます。

同じ第2条第2項には、次の事業者も並んでいます。銀行(第1号)、保険会社(第17号)、宅地建物取引業者(第42号)、貴金属等の売買業者(第43号)、弁護士(第45号)、司法書士(第46号)、行政書士(第47号)、公認会計士(第48号)、税理士(第49号)です。バーチャルオフィス事業者は、これらと同じ枠組みで規制されているということです。

契約するときに本人確認が義務づけられている

同法の別表(第4条関係)は、第44号の事業者について確認が必要な取引をこう定めています。

第二条第二項第四十四号に掲げる者 / 同号に規定する業務 / 同号に規定する役務の提供を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

つまりバーチャルオフィスの契約を結ぶときが、本人確認(取引時確認)のタイミングです。

確認される内容は第4条第1項に書かれています。

号 確認事項
一 本人特定事項(個人は氏名・住居・生年月日/法人は名称・本店または主たる事務所の所在地)
二 取引を行う目的
三 個人の場合は職業/法人の場合は事業の内容
四 法人の場合、事業経営を実質的に支配する者がいるときはその者の本人特定事項

さらに第4条第2項は、なりすましの疑いがある取引や、本人特定事項を偽っていた疑いがある顧客との取引などを定めています。これらには、資産および収入の状況を含むより厳格な確認を求めています。

「住所だけ借りたいのに、なぜ職業や事業内容まで聞かれるのか」と感じたことがあるなら、理由はこの条文にあります。

記録は7年間保存される

第6条です。

特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに(中略)記録(以下「確認記録」という。)を作成しなければならない。 2 特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日(中略)から、七年間保存しなければならない。

契約が終わってからさらに7年です。第7条では、取引そのものの記録を作る義務も定められています。

疑わしい取引は行政庁に届け出られる

第8条第1項です。

特定事業者(中略)は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか(中略)を判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに(中略)行政庁に届け出なければならない。

事業者は、疑いがあれば届け出る義務を負っています。判断して届け出ないという選択肢は条文上ありません。

これらに違反していると認められた場合、行政庁は是正命令を出すことができます(第18条)。国家公安委員会は、行政庁に対して是正命令や業務停止などの処分を行うべき旨の意見を述べることができます(第19条)。

利用者が身元を偽ると罰則がある

ここは見落とされがちな点です。第25条。

顧客等又は代表者等の本人特定事項を隠蔽する目的で、第四条第六項の規定に違反する行為(中略)をしたときは、当該違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

罰則がかかるのは事業者側だけではありません。身元を偽って契約しようとした利用者にも及びます。

実際に各社は何を書いているか

出典に載せた12社の公式ページ(料金ページ。ユナイテッドオフィスは犯罪収益移転防止法の専用ページ)を、2026年10月26日にあらためて検索しました。結果は次のとおりです。

記載 社数 該当する社
犯罪収益移転防止法に言及 4社 レゾナンス/バーチャルオフィス1/デジラボ/ユナイテッドオフィス
本人確認に言及 5社 レゾナンス/バーチャルオフィス1/デジラボ/NAWABARI/ユナイテッドオフィス
審査に言及 9社 レゾナンス/バーチャルオフィス1/デジラボ/NAWABARI/ユナイテッドオフィス/DMM/ワンストップ/METS/ナレッジソサエティ
いずれも記載なし 3社 GMOバーチャルオフィス/Karigo/和文化推進協会

注意点:走査したのは、各社の出典に載せた公式ページ1ページずつです(ユナイテッドオフィスは専用ページ)。FAQ・利用規約・申込フォームは見ていません。またJavaScriptで後から読み込まれる部分は、検索できていません。GMOバーチャルオフィスの料金ページは、FAQの回答がこの形式です。記載がない=対応していない、という意味ではありません。

具体的な記述を2つ挙げます。

レゾナンスの料金・サービスページ

登録のない法人名宛の郵便物は犯罪収益移転防止法の指導によりお渡しができかねます。 ご契約後、法人を設立された場合は個人から法人への切替をお願い致します。 履歴事項全部証明書の原本全ページをPDFまたは画像でメールにてご提出下さい。(電子版不可・6ヶ月以内に発行されたもの)

契約者として登録されていない法人名の郵便物は渡せない、という運用です。法人を設立したら登記簿の提出が必要になります。

ユナイテッドオフィスは「犯罪収益移転防止法のとりくみ」という専用ページを持っています。

当社では審査または業務のご依頼後、下記の身分証明書のいずれかのコピーをいただき、そこへ記載された住所地へ作成した書類を転送不要にてお送りすることで犯罪収益移転防止法に対応しております。

本人確認書類の住所へ転送不要郵便を送り、そこに住んでいることを確かめる方法です。

それでも残る論点

法律の枠組みがあることと、使ううえで気をつける点がないことは別です。公式情報から確認できる範囲で挙げます。

同じ住所に多数の法人が登記されている

これはバーチャルオフィスの仕組み上、避けられません。法務省は商号調査についてこう案内しています。

会社の登記については、既に登記されている他の会社と同一の「商号」であり、かつ、本店所在場所も同一である場合には、登記することができないとされています(商業登記法第27条)。

商号が違えば同じ住所に登記できますが、登記前に調べておくほうが安全です。調べ方はバーチャルオフィスへの本店移転登記にまとめました。検索のみなら手数料は無料です。

審査に落ちることがある

上記のとおり9社が審査に言及しています。本人確認が法律上の義務である以上、書類が揃わなければ契約できません。

使えない業種がある

許認可が必要な業種では、実体のある事務所が要件になっていることがあります。これは犯罪収益移転防止法ではなく各業法の問題です。

法人口座の開設は別の審査

銀行も特定事業者(第1号)で、独自に本人確認を行います。バーチャルオフィスの契約ができることと、その住所で法人口座が開設できることは別です。各社の記載は法人口座が開設できるバーチャルオフィスにまとめています。

取引先から見える「信用面」で確認したい5項目

法律の位置づけとは別に、住所が取引先や銀行の目に触れる場面を気にする人もいます。ここでは、バーチャルオフィス1の公式サイトの記載をもとに、確認できる項目を5つ並べます(2026年10月17日確認)。

この表は、住所を使えば信用されるという意味ではありません。信用の判断は、取引先や金融機関が行います。

確認したい項目 公式サイトの記載
事業用住所の立地 渋谷店(東京都渋谷区)・神保町店(東京都千代田区)・広島店(広島市中区)の3拠点
法人登記 月額880円(年間契約)の基本料金に含まれる。先に個人で契約し、その住所で法人を設立してから法人契約に切り替える
住所の掲載 名刺・Webサイト・請求書などに記載できると説明。ネットショップの特商法表記の住所欄にも使える。特商法表記で使う場合の条件も公式に書かれている
郵便物の受取 月4回の転送が基本料金に含まれる(郵送費用は別)。到着はLINEで通知される。簡易書留など受取時にサインが必要な郵便物は、無料で代理受領する
運営会社と審査 運営は株式会社ナレッジソサエティ。会社概要のページに所在地・法人番号・代表者が載っている。契約時はオンライン本人確認(eKYC)と事業内容の提出がある

住所の見え方は、公式のよくある質問に書かれています。住所は他の利用者と共有しているため、住所で検索すると公式サイトが表示されることがあります。バーチャルオフィスの住所だと分かる可能性がある、という説明です。公式は、バーチャルオフィスを使うこと自体はやましいことではない、とも書いています。

制度面では、公式サイトに次の2つがあります。

  • 基本料金割引制度:対象サービスを同社経由で申し込むと、2年目以降の基本料金が最大0円になる。対象は年払いの基本プランだけで、単月契約は対象外
  • 法人口座開設保証®:所定のルールに沿っても法人口座を開設できず退会する場合に、入会金と基本料金が返金の対象になる。退会までの郵便転送費用などは対象外で、利用をお断りするケースもある

口座の審査は金融機関が行います。保証があっても、開設が約束されるわけではありません。条件の詳細はバーチャルオフィス1の料金・審査・申込の流れにまとめています。

郵便局の私書箱との違いは、私書箱とバーチャルオフィスの違いで比べています。

よくある質問

バーチャルオフィスは怪しいですか

法律上、バーチャルオフィス事業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者です。契約時の本人確認、確認記録の7年間の保存、疑わしい取引の届出が義務づけられています。一方で、上の「それでも残る論点」で挙げた点は残ります。同じ住所に多数の法人が登記されること、審査に落ちることがあること、使えない業種があることです。法人口座の開設が別の審査になることも残ります。

バーチャルオフィスを使っている会社は怪しいですか

住所がバーチャルオフィスであることだけでは、その会社がどんな事業をしているかは分かりません。この記事で確認できるのは、次のことまでです。バーチャルオフィス事業者は、契約時に本人確認と、取引の目的・職業または事業の内容の確認を義務づけられています。

バーチャルオフィスは違法ですか

犯罪収益移転防止法は、バーチャルオフィス事業者を第2条第2項第44号で「特定事業者」として定義しています。そのうえで、本人確認・記録保存・疑わしい取引の届出を義務づけています。規制の対象として法律に位置づけられている事業です。個別のサービスや使い方が適法かどうかの判断は、この記事ではしていません。

なぜ職業や事業内容まで聞かれるのですか

第4条第1項が、本人特定事項に加えて次の確認を求めているためです。「取引を行う目的」と「個人の場合は職業、法人の場合は事業の内容」です。法人の場合は実質的支配者の本人特定事項も対象になります。

身分証のコピーを出すのが不安です

確認記録は契約終了から7年間保存することが第6条で義務づけられています。裏を返せば、保存の期間も法律で定められているということです。各社のプライバシーポリシーもあわせて確認してください。

審査に落ちることはありますか

12社のうち9社が公式ページで審査に言及しています。本人確認が法律上の義務である以上、書類が揃わなければ契約は成立しません。

格安のサービスほど審査が緩いのですか

料金と審査の厳しさの関係を示す公表データは見当たりませんでした。今回確認した範囲では、犯罪収益移転防止法に言及している4社の月額は990円〜2,310円です。料金だけで審査の厳しさを判断できる材料はありません。

同じ住所を他の会社も使っていて問題ないのですか

商号が違えば登記できます(商業登記法第27条)。同一商号かつ同一本店の場合のみ登記できません。事前の商号調査は無料でできます。

まとめ

  • バーチャルオフィス事業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者(第2条第2項第44号)
  • 契約時に本人確認が義務(第4条・別表)。氏名・住居・生年月日、取引目的、職業または事業内容が対象
  • 確認記録は契約終了から7年間保存(第6条)
  • 疑わしい取引は行政庁への届出義務(第8条)、違反には是正命令(第18条)
  • 利用者が身元を偽ると3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(第25条)
  • 12社の公式ページでは、犯罪収益移転防止法への言及が4社、審査への言及が9社

各社の料金と条件はバーチャルオフィス比較12社にまとめています。


登記・口座・郵便・業種で起きる制約を1か所にまとめた記事は、バーチャルオフィスのデメリットです。

この記事は、犯罪による収益の移転防止に関する法律の条文と、各社公式サイトの記載を整理したものです。条文は、e-Gov法令検索の令和8年8月12日施行現在のものです。運営者は弁護士ではありません。個別のケースの適法性は判断していません。条文は2026年9月22日、各社の記載は2026年9月21日〜22日に確認したものです。

公式サイト・申込窓口

調べた資料(2026-10-26 時点)

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